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食いに行くか?
お前、前に行ったときうれしそうであっただろう?
変な顔をするな、佐助。
なぁ、ぎゅうとしてよいか。


…………お前、細いな。ごつごつしておる。筋もあるようだが……。



覗いた佐助の様子は奇妙であった。
具合か怪我でもと思ったが違う。はい、とへらへら笑うばかりでなにもない。
俺の肩が痛んだ折りだけ、きゅっと顔が変わった。
相変わらず腫れた目で赤い鼻だった。鼻を親指で擦った。
なぁ、暇であるなら蕎麦でも食いに行かぬか。
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酷い顔だ。
これでは、明日目が腫れる。
ぐすぐす鼻を鳴らして鼻も赤い。
俺は、優しくないか。
馬鹿。そんなに擦ったらもっと赤くなるというのに。
やめろと言ったら動かなくなってしまった。
鼻を啜る音ばかり聞こえる。

髪が焦げ臭い。
焦げてしまった。
頬の煤を拭ってやる。
軽く肩が痛んだ。眉が寄る。忌々しい。


天井裏から降りてきた前田殿の手を舐めた。
ぎゃあと騒がれて煩かったので思い切り髪を引いたらぶちぶちと千切れた。
やわいと思って幾本引く。
うるさい。


がたんっと屋根裏で音がした。
佐助とぼんやり思う。
なぜ降りてこぬ。
馬鹿。
腹がたって無理繰り引きずり降ろした。天井に穴が開いた。
目尻が赤い。泣いたのか。かわいそうと思って舐めると、やだ、と言われた。何がだ。
舐めると煤臭い。
ぼろぼろ泣かれる。
服を剥ごうとしたらぎょっとされた。
好きな奴にやればいいだろう!! と騒がれた。


お前以外の誰にしろというのだ。
佐助が降りてこなくなった。
前田殿が、アンタなにしたんだよ!と言っている。
うるさい。

名を呼んだら怯えた気配がした。
何が怖いのだ。



ごめんなさい・・・と言われた。
なにがだと思う。
また怯えられた。
大分遅くに佐助が来た。
ごめんね、と言う。
もうよいと思ってぎゅうとした。いろんな国の話を聞いたよと言う。


…………。



ううっと苦しそうな声を出す。
やさしくするからよいではないか。やさしくする。
いくら食んでもおもしろくない。
なんなのだ。
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