頭いてえ

酒で吐くとかないわあ。ほんっと勘弁してよもう。
珍しく飲め飲めって絡まれたから、あんまり意固地に断るのもなあって頂いたはいいけどこんな回るとは……やっぱ体力落ちてんのかな。
もー、ほんと早いとこ治して鍛え直さないとだぜこりゃ。

ところで片付けとか、旦那がしたのもしかして。……ち、違うよね誰か呼んだんだよね。
ひと呼ばれるのもやだけど旦那の手わずらわせたとかもーほんと死にたい……なんだよもう。ほんとゆっくり忍ばせてください。気が休まらないったらない。




で、この背中にべったりくっついて腰に腕回して寝てるお人はなんなんだろうな。
うう……もう夜明けだって旦那……早く起きてくれよ……

誰か来たりしたらどうすんだ。ほんと死にたい……

療養二日目にして

酒と猪一頭抱えて急に旦那が来た。来ないでって言っといたのに。
しかも花見酒だとか言っちゃって、花がなけりゃただの酒でしょうが……。

て文句言ったら上田の屋敷に連れ帰られたんだけど。

まったく療養にならなかったぜ……
と思ってたら明日にはまた連れて行くって言われた。いや、旦那は来なくていいから。俺様ひとりで戻るから。
て言うか別に俺様そこまでして桜見たかったわけでも……まだ三分咲きじゃねえのよ……。

あー、なんかくたびれた。このくらいで疲れるって、休んでたから体力落ちたのかねえ。
自分の部屋でゆっくり寝たいんだけど、旦那がまだ呑んでるなあ。勝手においとまもできねえしなあ。
けろっとしてるけど結構入ってるよな……大丈夫かこれ。


そういや旦那って猪さばけるんだな。知らなかったぜ。
明日戻ったら残った肉いぶしとかないとな。

まこと

うまいほうとうだった。
流石お館様のかぼちゃである。
佐助が驚いた顔をしていた。
花見酒は美味い。
山途中で見つけた猪を狩った。
なかなかに酒に合う。

佐助、佐助と呼んだらなんだかうれしそうだった。
桜が見たかったというので花見酒だからよかろうと言ったら、よくねぇよ、と言われた。


幸村隠し湯にて

でっけーかぼちゃ！

大将からの見舞いの品。
ほうとうにでもして食おっかな。

で、なんで大将にばれてんのよ……。


お仕事の山とかぼちゃと定時報告持ってきた奴が庭に桜が咲いたって言ってた。
あー、あそこ日当たり良いもんねえ。障子にしてると朝とか眩しくって寝てらんねえくらいだもんな。ここ最近昼はあったかかったし、ほころんだかな。
寒の戻りもあるし、結構長く咲くんじゃねえかな。雨降んなきゃいいよね。

でも、じゃあ、庭で花見は出来ねえなあ。俺様が帰る頃には葉桜だろうぜ。酒のみたかったなあ。


朝に烏が来たけど、才蔵からの定時報告だった。あいつ上田離れてんだな。言っとけよ昨日のうちに。
つっても今日の午には戻るってなってたから、もう帰って旦那に報告も済んでるよな。

………旦那から今日も何もこないな……？
烏の奴、おてがみなくしたのかもな。……そんなへまするのじゃないんだけどな……飛ばせ過ぎたかな……。
今日は山帰して休ませるか。

さて。今日は夜は誰も来れないみたいだし、ほうとう作ろっかな。
自炊久し振りだなあ。

安静

に出来てない。

温泉浸かって医者行って寝て湿布作ってまた温泉浸かって寝ての繰り返しだからどんだけ暇かと思ってたのに、ぞくぞく届く報告書の束。
……いや、そりゃ報告書くらい見るけどさ……戦傷でもねえしさ……。

お医者にはまあひびがでかくなっただけみたいなもんだから大したことないし鍛えてるから治りも早いはずって言われた。
俺様もそう思うぜ…つうか、大人しくしてたらひびくらいもう治ってたはずなんだけどな……。

………あれ。そういや旦那から返事が来てねえ気がするけど………。
別に何も報告ないし、烏も午に餌ねだりに来てたけど手紙は外されてたし、まあ忙しいのかね。あのお人も仕事あるしな。

はー、取り敢えず書状はもういいかな。
さっきくのいちが来て飯作ってってくれたし、食べてちょっと横になろっと。