帰りたいと

帰りたいと佐助に言われてしまった。
あれは、帰りたかったのだろうか。
湯治には、喜んできたように思ったのによく分からぬ。

幸村

気にするなと

才蔵から返答があった。
今のところ何もないので気にするなということらしい。
佐助になにが喜ぶか聞いて土産を買おう。

それにしても、佐助がおかしい。
別の部屋で寝るというし、別の部屋が取れないとなると屋根裏で寝ると言い出した。
あれのために来たのにそんなことをされては意味がないので、馬鹿なことを申すなと言ったらいじけられた。

なにか怖いことでもあったのだろうか。
なんだか、かわいそうな様子であった。
頭でも撫でてやれば元気も出るだろうかと思ったら、余計に悪くなったようだった。
今日は、あれの行きたいところに付き合おうと思う。
腹でも下したのだろうか。
心配だ。


幸村

別所にて

よい天気であった。
あれのためにと思って連れて来たがどうにも溜息ばかりついている。
佐助は別所が嫌いであったのだろうか。
昼餉は楽しそうにしていたように思ったのだが・・・・。
元気を出させようと思って、風呂の引っ張って髪を洗ってやったら泣かれそうになった。
・・・・・・・精進しようと思う。
お館様や、屋敷のものに土産を買おうと思う。明日佐助になにがよいか聞いてみよう。

幸村

・才蔵に手紙

佐助が

なにやら、もう帰ってくるらしい。
・・・・・・・・・
まぁ、よいか・・・

どうにも、烏に懐かれた様だ。
猫のようだと思った。

昼を、一緒に食えるだろうか。
久方ぶりであるし、しばらく待ってみようと思う。

真田幸村

烏が

この寒いのに縁にいたので、一緒に眠った。

ここには、雪は積もっていない。
ほけきょとよく今日も鳴いている。
烏は、どうも頭をかかれるのが好きらしい。
くぅっと変わった声で鳴いた。

あまり長い文は、まずいかと思って、ほけきょとだけ書いて佐助に送った。

真田幸村