佐助へ

優しくするからねよう。

ゆきむら

才蔵へ

世話をかけていることと思う。
すまぬ。
此度は、俺のわがままをきかせてしまった。
佐助のことだ、お前にも文がいっているのだろう。
火急のときには、知らせよ。
忍隊の者達にも詫びておいてくれ。
この文に返答はいらぬ。
お前が必要と思ったときのみよこせ。


幸村

お館様へ

急ぎ申し上げます。
お手を煩わせること、大変申し訳なく思います。
真に、申し訳ないのですが、一週間ばかりお暇を願いたく存じます。
佐助が、おかしゅうなりました。
ゆるりと、湯治にでも連れて行きたく思います。
どうぞ、お叱り下され、某の責にございます。
佐助を連れてご挨拶に伺いますので、どうぞお許しくだされ。

真田源次郎幸村

ああ、かわいいぞ

馬鹿だなぁ、佐助
かわいいのはうぐいすだぞ。
あ、いや、お前もかわいいな。うん。

う、ん？
お前の部屋のほうがいいのか？
ああ、それなら烏も一緒に眠れるな。
それなら、布団を持っていこうな。佐助、俺の布団のほうがいいだろう？

本当になぁ、どうしたのだ、佐助？
かわいいことを言うなぁ。
子供なぞ無理をして作るものではないぞ。それにな、仕込むなどと相手の女性がかわいそうだろうに。
うむ、でも、そうだな、もし子が出来たらかわいがろうな。
な、見せに来るのだぞ。


そうか。


心配するな。俺は、元気だぞ。
烏がな、お前に文を運んでくれるそうだ。
星が、明るいな、冷えるだろう。
気をつけろよ。

幸村

そうか

聞くのか。
ならいい。

俺の部屋のほうが、寝心地がよいであろうが。

烏な、お前にも懐いているだろう。
俺が珍しいだけだ。

だが、おしのは、俺の子がみたいのだろ？嫁子を貰わねば俺の子は生まれぬだろうが。
別段、したいと思ったことはないが・・・・。なんだ、お前も俺の子が見たいのか？俺は、お前の子が見たいぞ。

そういえば、屋敷の中で風邪を引いたものがいるそうだ。
佐助、気をつけろよ。

幸村

かわいいぞ