起き掛けに

佐助が居た気がした。
気のせいだったらしい、出て行った。

幸村

真田の旦那へ

探さないでください。


さすけ

どこに行こうかな

起き抜けに突然首に噛み付かれたのは良くねえけどそれはさておき、薬がいるか？　まではよかった。


あの流れのあとになんで盛るの。


しかも終わったと思ったらひとの上で寝るし！
なんとか抜け出して後始末してたら起こしにこられるし！
焦って旦那まだ寝てるからってちょう誤魔化したよ！　今考えたらそれまったく誤魔化せてねえよな馬鹿か俺様！
頭痛いのに！　あばらも痛いのに！　腰まで痛いし！　最悪だ勘弁してくれ…！


なのに起きて一言。
何を怒っているのだ、だって。


え、こんなんされても怒らないと思われてるって俺様どんだけ舐められてんの。
そりゃ文句言える立場じゃないですけどそれにしたってひどくない？　横暴過ぎない？

なので家出を決行することにしました。まあもともと養生のためにしばらく留守にする予定だったんだしな。仕事は持ち込まれてたけどな。才蔵いるからなんとでもなるだろ。
まあ勝手にいなくなったらクビになるかもしんないけどなーあははははは。そしたら再就職はどこにしようかな。

たまには旦那も思い知れってんだ。畜生。

なぜか

目を覚ますと佐助がいた。
寝ぼけて喰った。
なにやらぼうとする。今日は、佐助を連れて行けぬと思った。
めんどうなので寝ておれ、といったら丸まられてしまった。
あんまり小さくなるのでまた吐いているのではないかと思って口を開けさせたら幾分舌が荒れていた。
薬が要るか？と言ったら、要らぬと言われた。
ほの白い舌だった。

幸村

頭いてえ

酒で吐くとかないわあ。ほんっと勘弁してよもう。
珍しく飲め飲めって絡まれたから、あんまり意固地に断るのもなあって頂いたはいいけどこんな回るとは……やっぱ体力落ちてんのかな。
もー、ほんと早いとこ治して鍛え直さないとだぜこりゃ。

ところで片付けとか、旦那がしたのもしかして。……ち、違うよね誰か呼んだんだよね。
ひと呼ばれるのもやだけど旦那の手わずらわせたとかもーほんと死にたい……なんだよもう。ほんとゆっくり忍ばせてください。気が休まらないったらない。




で、この背中にべったりくっついて腰に腕回して寝てるお人はなんなんだろうな。
うう……もう夜明けだって旦那……早く起きてくれよ……

誰か来たりしたらどうすんだ。ほんと死にたい……