真田の旦那へ

ちょっと、どうしたのよ。何かあったの？
俺よりあんたの方が心配だよ。

さすけ

才蔵がいなかったので

自分で文を届けに行った。

佐助が留守であったので、勘助殿にお頼み申した。
残念なことにお館様も留守であった。
上田の屋敷まであと一息である。

佐助へ

元気か？
今日は、雨だ。
幾分冷え込んでいる。


幸村

佐助へ

元気か？
な、あ佐助、元気か？

今日はな、うまい草団子を食ったぞ、おまさが持って来てくれたのだ。
赤子を連れてきてな、お前にも会いたがっていたぞ。
元気に育っていた。

才蔵がついでだといってな、団子と文を届けてくれるそうだ。


佐助、帰りはいつになるのだ？
なぁ。


幸村

なにこれ

うわ、旦那からのおてがみがいっぱい……
なんかすぐ高さ下がっちまっておかしいなあと思ってたら、疲れてたのね、烏ちゃんてば……あーあ。
いくら優秀でも甲斐と上田を三往復のあとにお仕事はつれえよなあ。お疲れ。今日は羽のお手入れしてやろう。

あーでも、そうすると旦那におてがみ送れないなあ。いや、まあ、別に、忍びに届けさせてもいいんだけど、格別用事があるわけでもないのに元気だよって言うだけで走らせるのも…な……

にしてもこの内容のなさは何なんだ。話すことないなら、ほっといてくれていいのに…別に……また大将になんか言われたのかねえ。
蕎麦もおしのさん誘えばいいじゃねえの。そうだよそれでいいだろ。なんで俺だよ。また思い上がっちゃうからやめてよね、もう。
忍びごときの機嫌とらないでください。

って烏に言ってもなー。


まあ……いいや。おてがみは明日烏に届けてもらおう。
さて、大将に報告も済ませたし、烏の毛繕いして俺様も休もうっと。