す、すまぬ！！

さ、さすけ！！そ、その、そんなに痛むとは思わなかったのだ！！
す、少ししたかっただけなのだ・・・その久しかったゆえ・・・その・・すまぬ・・・い、痛むか・・・？なぁ・・・い、痛むのか・・・？も、もう一度し、してはい、いかぬか・・・？そ、そのな・・折角目が覚めたのだしな・・・その・・・。いや・・よ、よい・・・・すまぬ・・・




さ　　すけ・・・
よう戻ったな・・さすけ・・・待っておったぞ、よう、戻ったな・・・。
帰ろうな、さすけ






一晩ともに過ごしたかったが、治らぬから宿に戻れと言われた。
傍にいる間は手を握ってやった。
暗くて危ないからと明かりを持たされた。
宿の前に、誰かおるな・・・・・。


お、おおおおおおおおおおおおおおお館様！！？？

烏は餌食べれるようになったらしい

ずっと風来坊かかすががいてくれてたみたいだ。
風来坊はともかく、かすが貸してくれるなんて軍神さんも太っ腹だね。

風来坊がさっきまで幸村がいたんだよって言ってた。うるさい！　てかすがに追い出されて他のとこに宿とってるみたいだ。つか、こんな小屋に寝泊まりしようとするとか……風来坊もちゃんと上杉さんちとかに行きなよ。
もうちょっと傷が塞がったら謙信とこに連れてってやる、って、うわー申し訳ないよそれ。ここでいいよ、充分だって……

て言いたかったけどまだあんまり声出ない。飯食ってねえしな……でも目はちゃんと見えるようになってきた。



誰かいるなと思って目え開けたら旦那の顔がものすごく近くにあった。
旦那、て言ったらぶわっと真っ赤になっちゃったけどなんだ……どうしたんだ。

あー、でも、旦那だな……。
…………もっかい会えるとは思わなかったなあ。俺いると旦那様子おかしいし、邪魔になるばっかりだし、役に立たないし、だからもういいかなって思ったんだけどなあ。

なんか涙出てきた。

まだ起きぬのか

佐助、今日はな、たくさん桜の実を取って来たのだぞ。上手そうだろう。慶次殿は喜んでおったぞ。上杉の忍び殿は酷くご立腹だったが。お優しいな、お前の様子をよく見に来てくれるのだぞ。お前に触れると怒るがな、優しいのだ。佐助よかったな。
お前には食わせ用と思って取って来たのだぞ。な、きれいであろう。
さすけ、起きぬのか？誰もおらぬから起きてもよいのだぞ？もうぎゅうとしたりせぬし煩くはせぬと約束したのだ。起きぬのか？
な。








見ておらぬと思ったので接吻した、

治るまでおるからな

さ、さすけ・・その・・・すまぬな・・・うるさいから出て行けと言われてしまったのだ・・・。
その・・・ぎゅうとしたかっただけなのだぞ・・・、
服もきれいなものに着替えたしな、今日はここにおるぞ。あ、頭はな、少しだけなら触っていいといわれたのだ！さすけ・・・久しいな・・・よう、戻った・・・。
帰ったら共に寝ような、布団を柔くしてあるから心地よいぞ。

上杉の忍殿と慶次殿にも礼を言わねばなるまい。


頭がぼうとして痛むと思ったら泣いたせいらしい。
そりゃあ、あんだけ泣いたら当たり前だよ　と慶次殿が言って冷えた布を渡された。
佐助、よかったな、きっと心地よいぞ、早よう元気になって帰ろうな。

床が揺れた

痛えと思って目え開けたら誰かが大声で怒鳴ってた。風来坊の声がする。あー、拾ってくれたの風来坊か……そういやまだ上杉にいたんだっけ……ていうか、誰だ、うるせえ………、

…………。……旦那……？

見たらちょうど旦那が風来坊足蹴にしたとこだった。……何してんのこのひと。風来坊が助けてくれたんだよ。なんで殴るの。
………俺を助けたのが気に入らないのか？

旦那が凄い形相でこっちに来た。掴まれそうになったけど風来坊に今動かしたら死ぬだろ！　て羽交い締めにされてた。
つうか、二人ともすげえうるさい。何かもうからだ中痛いし……頭に響くし……


旦那が佐助！！　って言った。
何で出て来たんだよ。おとなしく城にいなきゃだめだろ……お館様に叱られるよ、…………。



……冷たい手がおでこに触った。女の手だな……誰だろう。