だんなのおてがみ

と、と、取り戻した………
おまさちゃんはかなしか読めないけど旦那さんが読めんだよ。商家の出だってなーちっこい店いっこ親から任せられたんだってなー祝言上げてからは昼に飯食うって口実付けて毎日家まで駆けてくんだってよ。ッかーあっついあっついねえ、はは。

そんなお熱いご夫婦に仲がよろしいのですねって笑われたんですけど……っ！
穴があったら入りたかったぜまったく……。

ところで俺様帰りは歩いて来たのになんで旦那のが帰りが遅いのよ。先程帰られましたよって言われたのに。
………さてはあんた甘味屋寄ってるな。おしのさんに怒られてもしらねえからな。

さて、と。後はこのままお仕事行くわ。
これ渡せるのは夜かねえ。急がねえとまた枕元に置くことになっちまうなあ。

さすけ

おてがみしわくちゃ

しまった、朝出掛けにもらって懐突っ込んだままだった。
や、破れちゃねえから、平気だよな、うん……

いやー、にしても疲れたわあ、今日。挨拶回りもさあ、軍師の旦那相手ならそう言っといてよ。変装したのに意味ねえじゃねえの。
いや、まあ、今更ですけどね…誰相手でも……つうか気心知れたって、先におてがみ読んどきゃ良かったぜ。

旦那と手合わせすんのも戦より疲れんじゃね？
まあそれは冗談としても、ちっとは手加減してもらいたいねえ。明日あたりひでえ痣だぜ、こりゃ。

しかし旦那は文だけみりゃあ、えらい立派なお方だよなあ。いや、普段だって立派だけどね？
で、昇給の話はどう……や、まあ、わかってたけどね……


さてと、こいつ枕元に届けたら、ちっと偵察に出て来るよ。明日昼には戻れるかな。
じゃ、行ってきますよ。

さすけ


追伸
俺様甘い酒よか梅干しつまみに飲みたいなあ。おだいどこのひとに頼んで梅干し多めに漬けてもらおうかな。

追伸其の弐
夢ねえ……
旦那は何か見たの？

つかれてかえってきたら

つくえのうえに真田の旦那からおてがみ。


どんだけ働かせる気かとびっくりしたでしょうが！
こーゆーのは最初くらい手渡してくださいよ。お仕事かと思ったよ。

つーか報告がてらにもう共にお茶飲んじゃったじゃねえか。

あの、まだおてがみの存在にも気付いてなかったんだからね。いくら俺様だって読んでもない文のおへんじは出せないから。がっかりされても困るから。

しっかし、日頃思ってることって、改めて言えって言われてもなあ………つうか俺様もう寝たいんだよ。

とりあえず昇給願いと休暇願いで……あ、これこうやって文で訴えるのはじめてだね。はは、効果あんのかな。
ま、期待せずに色良いおへんじ待ってるぜ、旦那。

じゃあこれ届けたら寝ようかな。枕元においとくから、おはようか？　ま、いっか。
おやすみ、真田の旦那。

さすけ